C-merのブログ

ザ・雑記

下水が止まった -序幕-

<タイトルに下水が入っているように、極端に苦手な人は察してください>

シャワーを浴びていたら、水がうまく流れない。
流れが悪いことは今までもないこともなかった。「明日が終われば、週末だ」そう思って、諦めてバスルームを抜ける。
一応、寮の管理人に修理依頼するメールをしておくか。



次の日、寮に帰ると部屋が水浸しになっている。床に散乱するタオル。普通に事件が起きている感じなので、ルームメイトに電話する。
「シャワーを浴びていたら、水が流れなくてバスルームの外にも漏れ出した。急いで出ないといけないので、タオルでとりあえず拭いといた。」
最も"wipe"という単語の意味が自分の意図しているものと異なるが、とりあえず安心。

可能な限り排水を試みる。この後どうしようか。
近所のコンビニというかスーパーというか生活用品店というかמרקטに行ってみる。よくわからないけど、トイレの絵が書いてある洗剤を買って、排水溝にぶちまける。
懐かしの塩素系の匂い、プールの匂いに足りないのはカビとの合わせ技。カビが生えていないという事実に感心しつつ、排水溝が少しきれいになった以外に変化なし。
この過程で、禁断の喚起窓を開けてしまった。というのも、これは開けると1匹/日のペースでG様が侵入して来るパンドラの扉、下水は詰まるし、Gは入ってくる[に違いない]し、踏んだり蹴ったりである。その日人類は思い出した、ヤツらに支配されていた恐怖を…。

アレはともかく、排水設備は放置してもいいことはないし、とりあえず寮の管理人に電話を試みる。少し前に管理人の連絡先が変わったというメールを受け取ったので、電話をする。
一人目「----------」英語は話せないと言われてしまったが、とりあえず守衛だからこの問題は管轄外ということはわかった。
もう一つの方の電話番号...そもそも異なる寮の、責任者でもないスタッフの連絡先だったらしい。ガッツリ勤務時間外に関係ないやつから電話がかかってきて少しご立腹のご様子。「謝罪と感謝はいくらしても減らない」と誰だか俺だかが言ってたが、謝罪と状況説明と感謝をしまくり、こっちの寮の責任者に連絡してくれるとのこと。最近、こういう交渉事(?)がうまくなった気がする。最もコミュニケーションが上手いタイプの人間はこれが自然にできているのかもしれない。

寮の責任者が手配してくれた水道業者がくる。この国の業者は相変わらずラフな格好でくる。そういうところは好きだ。
応急処置的なものはうまくいかず、排水桝(トラップ?)と呼ばれるやつを開いて、詰まっているであろう何かをとる作業をする。当方、深夜まで夜更かししては、水道業者が排水設備を洗浄する動画を延々と見てしまうタイプなので、本物を見れて感激ではある。ただ、匂いはきつすぎる。巷では、3次元映像を保存・転送の次は、触覚・味覚・嗅覚だと言ったり言わなかったりであろうが、嗅覚はまじで取扱注意だ。
業者いわく、全力を尽くしたが、つまりは取れなかったらしい。まあ、しょうがないよな。ちなみに、老朽化に伴い(!?)、排水桝の蓋は破壊工作され、部屋は下水浸しになっているーーもうめちゃくちゃだわ。俺、ドア挟んで1m程のところで寝てるんだぞ。
まあ、まともに夕飯食える気分になれず、掃除して寝る。



当分、どうやって生活するかーーー。この国では、まず業者は週末この程度のことでは対応してくらない。水を流せない生活の始まり、始まり・・・
まずは食事の確保。日本だったら、外食なりコンビニなりスーパーの弁当なりといい感じに手に入るはずだが、ここにそんな都合の良いものは少ない。そもそも、ほとんどのスーパー・レストランが安息日で閉まってしまうので、行き当たりばったりで進むとガシしてフィニッシュ。スーパーへ行こう。

水を流せないということは食器を洗えない以前に、食材も洗えない。レタスをちぎって食うという運用も不可能である。ということで、カット野菜スペースを目指す。野菜片が赤い色で縁取りされてるカット野菜を見て、1週間野菜禁止生活を決意した。
そして、ピタパンを確保。パンは普通に好きではあるのだが、圧倒的米アンド麺派なので自力でパンを買うのは久しぶりで新鮮である。
ピタに合わせるは、フムス。大好物である。フムスを買うときの鉄則は、なるべく高くて量が少ないのを買うこと。フムスはものによって味の差が出まくる食品だと思う(だから、普段は外の店で食う)。
個人的に衛生状態に永遠に疑問を呈し続けてるレバーペースト*1と昨晩に大量にゴミ箱に飛び立ってしまったタオル他を購入して帰路につく。

下水が流れないのは、上水が流れないのと同じかそれ以上にきついかもと思ったりして*2

*1:断じて生ではない

*2:もちろん、水道以外から安全な飲み水にアクセスできるという前提ではある