C-merのブログ

ザ・雑記

イスラエルの大学院1年目終わった所感〜

大分前にはなりますが、1学期1年目1も終わって生活も安定してきたということで、その所感をまとめていきたいと思います。長期にわたってチマチマ書いていたため、途中で情報や人格が移り変わってることもあるかもしれません。

身体は1つしかないため、他課程・他大学についての内情を知る由もなく、極めて主観性の高い内容であるということを心得てください。

自己紹介

日本のとある大学の情報工学科を出て、Ben-Gurion University of the Negevというところの修士課程に進学しました。学部時代の専門はネットワーク仮想化で、今はいわゆるAIセキュリティを研究しています。

院試と入学までのスケジュール

イスラエルはそもそも大学の数が多くないのもありますが、ヘブライ語話者じゃない留学生を受け入れてくれるコース(≠インターナショナルコース)の選択肢が多くなかったりします。その中で、日本で現在のボスと出会い、進学することに決めました(詳しく書くと長くなるので、聞きたい人は直接聞いてください)

学問領域としては、学部時代と少し異なります。自分はもともと興味が広くて浅いタイプで、その中でもサイバーセキュリティは興味の度合いが高い方だったこともあり、せっかくのチャンスを逃さないためにも研究分野を変更することに決めました。

米国の大学・大学院は12月らへんの出願・受験と聞きますが2イスラエルは2-3月といった感じなので比較的遅いのかなと思います。
コロナの影響もあってか、受験結果が届くのが6月となったためこれまた(日本とのギャップを考えると)遅いです。
受験に落ちてニートになるわけには行かなかったので、その間に日本の大学院に進学していました。

今年度に関しては、コロナの影響で学期の始まる10月に入国することができませんでした。日本もイスラエルも感染者数の増減にかなり波があり、両国でちょうど感染状況が悪くなかった11月頃に渡航できました。1ヶ月ほどの遅れではありましたが、他の方が長期間出入国出来なかった様子を見るに、奇跡的なタイミングで入国できたみたいで良かったです。

ちなみに、渡航までの間は授業はオンラインで受けてました。時差の関係で授業が夜中の3時頃に終わることもあり、かなりエキサイティングな体験となりました。

学校内での留学生事情

学校全体では、留学生はそれなり多い気がします。といっても、キャンパスが完全に開かれてない状態で、留学生限定の交流イベントなどに行った上での感想なのでかなりバイアスがかかっています。3 多くのイスラエル学生・職員にも英語は通じますし、学生生活を送る上で大きな障害はないです。ちなみに、コミュニティを作れるほど多いのは、インド出身者と中国出身者ぐらいといった感じです。

一方で個別のコースで見ると話が話が変わってきます。本年度、自分の所属するコースでは私が唯一の留学生のようで、圧倒的マイノリティです。4 周囲の様子を見るに、ここ数年はこのコースに入った留学生はいないようです。というのも、これは修士課程の話で、博士課程・ポスドクの方にはイスラエル国外出身者も相当数います。この傾向は、学内全体でも同じようで、他の学生にも「修士の留学生は珍しい」と言われます。肌感覚として、学部・修士の留学生の割合は留学生全体と比較しても1割以下です。5

言語

前述のように学内の人は基本的に英語が話せるので問題なく、大抵の場合、コミュニケーションのボトルネックは私の言語力でした。。。
一方で、(イスラエル人に限らず)一部の人には「日本人の英語はやべえ」っと言うことが理解されており、僕自身の英語に対する評価も「日本人なのにちゃんと英語話せてる!」といった感じなので、よかったです(?)

街中でもそれなりの人が英語を話せるので、ヘブライ語が話せなくとも苦労することは少ないですが、簡単な単語レベルで英語に拒否反応を持つ人もいるので、英語が完全に通じるわけではないです。6
しかし、多くの場合、自国民同士でも英語でスムーズにコミュニケーションをとっているので、それはすごいなあと思いました(小並感)

科目・授業

概要として、いわゆるアメリカの大学のステレオタイプ的な「少ない科目をじっくり」というのをイメージしてもらえれば良いかと思います。
1学期目としては、3時間に及ぶ授業が2つあるのみで、そこにセミナーや研究活動が入ってくるといった次第です。

レビュー的なことを書こうと思いましたが、本筋と違う気もしたので今回はやめておきます。また、別の機会に書くかも

注意点としては、このコースはいわゆるインターナショナルコースではないため、必修を一部が英語ではなく、ヘブライ語となります。7

グループワーク・他学生・教員との兼ね合い

この大学・コースの限定的な特色かもしれませんが、グループワークがとても多い印象を受けました。右も左もわかってなく、課題などはすぐに先延ばしにしてしまう癖のある私としてはそこまで悪いものではないと感じました。今年度は基本的にオンライン授業であったため、話ができるようなクラスメートがいるわけでもないので、メールやWhatsAppでグループを組んでくれそうな人に突撃していました。今まであった学生は皆、とてもやさしくしてくれていたのでとても感謝しています。

今まであったほとんどの教員・学生・一般人が授業を英語でするべき、っと言ってくださったり、イスラエルの雰囲気的にも英語での授業は当たり前といった感じだったのですが、なぜか実際の講師はヘブライ語で講義をしたがるという現実がありました。かといって、教員方は留学生を見捨てようとしているわけではなく、関連書類(授業スライド・テス等含め)はすべて英語で表記されたり、個人的なフォローアップがあるなどの配慮がありました。

学事的な制度など

これはイスラエル全体で当てはまる話になるかはわかりませんが、学内では適切に主張をすればその主張は尊重される傾向があります。例えば、履修登録において、トラブルが生じたために登録が失敗しても担当者に何があったか連絡すれば真摯に対応されます。課題の締め切り等に関しても交渉を行えば、学期をまたいでも待ってくれたということもありました。自発的に交渉をすれば無視されずに、向き合ってくれるという印象を感じました。しかし、-これは寧ろ留学全般に関わることかもしれませんが-自発的に行動できない人には死が待つのみです。

また、イスラエルの学事的な制度として有名ですが、外せないのは、「期末試験が2回ある」というものです。本来は徴兵や家庭の事情で試験を休まなければいけない人のための制度だと思いますが、不測の事態で試験が受けられなくなったということを折り込んだ、任意の学生が2回まで期末試験を受けられる制度があります。評価として用いられるのは、最後に受けた方の試験です(≠最高点)。そのため、一般的に1回目の点数で満足いくできでなかったら、2回目を受けるというのが一般的なようです。8 私自身、過去問がヘブライ語しかなく、試験勉強に苦戦している中、1回目のテストのフィードバックを活かした結果、2回目の試験でなんとか合格、、!という話はまた別の機会に。。。

食生活

コロナ禍で生活が始まったため、本来よりも豊かでない食生活になってしまったという前提があります。
イスラエルは宗教的に食事に制限されている人やベジタリアンヴィーガンの人が多かったりしますが、個人的に外食に行ったり、自炊をする分には問題はありません。むしろ、個人の食に関する制約(好き嫌いを含め)にとても寛容だったりする気がします。
もちろん、通常のスーパーマーケットでは豚肉が手に入らないなどの話もありますが、アジア食品店・ロシアンマーケットに行けば、海外生活と聞いて想像してた以上の食品を手に入れることがあります。 9 日本食としては、まともなラーメンがなかったり、SUSHIが寿司じゃなかったりしますが、気合で乗り切るしかありません。
個人的には、水と肉類に臭みを感じてしまい、何か月たっても慣れません。人類史におけるスパイスの重要性を再確認させられたと同時に、現代日本の食肉加工技術の素晴らしさを実感せずにはいられない経験となりました。

コロナ

留学生活がコロナで始まりました。2021年になってからというものの、イスラエルはワクチン先進国だと言われたり、言われなかったりするのものコロナに対する状況が常に良かったかと言われるとそうではなかったものです。入国した時は運よく隔離も免除されたりしたのですが、最初数ヶ月は暮らしている時期の半分以上がロックダウンという厳しい状況でした。色々とあったと思うのですが、何を書こうとしていたか忘れてしまいました。何かあれば追記します。

戦争下での生活

政治的な話は避けますが、事実としてイスラエルで暮らす中でテロ組織からの攻撃や暴動による被害を受ける可能性はあります。もちろん、リスクを避けるように行動をすれば、基本的に問題はありません。不適切な例であることは承知ですが、居住者の精神的な影響や回避行動、「慣れ」の観点において、日本における地震にとても近いという印象を受けました。 また、コロナ禍における対応と同じく、大学側は不足の事態に対して俊敏に対応している印象を受けています。これらについても必要に応じて補足するかもしれません。

まとめ

2学期が始まってしまいました。
2学期目も終わりかけてます。
1年終わるのが早すぎてびびっています。


  1. 本当は2月に1学期目が終わった所感を書くつもりでした。

  2. 詳しいことは知りません。

  3. 大学HPなどにもデータはあるかもしれないですが、今はコロナで正規生以外の留学生を見かけないため、本来よりも少ないことが予想されます。

  4. ここでの留学生は非ヘブライ語話者に限定しています。ヘブライ語が喋れれば、イスラエル人学生と区別ができないためです。

  5. ただし、これは学位取得を目的とした留学生の話です。今年度は、コロナの影響で短期留学している人を観測していないのです。

  6. これはベエルシェバが都会ではないのも関係しているかもしれません。

  7. かなり局所的な例で申し訳ないですが、とてもちょうど良い例があるので例えると、慶應義塾大学大学院理工学研究科[^長い]における留学生の状態とほぼ同じです。(ただし、選択必修の選択肢が少し狭まっているイメージ)

  8. 原則的に1回目と2回目で難易度が変わらないとアナウンスされていますが、事実上2回目の試験の方が難しいらしいです。センター試験(共通試験?)に似ていますね。

  9. 私がもともとそこまで豚を食べていないので問題ないと思っているだけかもしれません。